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「訪問行くの?もったいないなー」

2018.09.29

「訪問行くの?もったいないなー」


こんにちは、理学療法士の丸山です。

これは私が転職する際に、先輩から頂いた言葉です。

さてさて、皆様はこの言葉をどう捉えますか(笑)
うんうんと共感する方もいれば、冗談じゃない!!と腹立てる方も?
そもそも何が?となる方もいるかもしれませんね。


本日は私の訪問リハビリ話をひとつしたいと思います。

ガンのご利用者様でした。
骨転移も多く、それにより大腿骨骨折し入院、退院と同時に訪問リハビリ開始となった方です。
患側下肢は完全免荷。反対側も2/3荷重との指示で、車椅子生活
仕事をバリバリこなしていた方で、早く歩けるようになって仕事復帰したいと、とても前向き

しかし術後半年以上経過しているが、骨癒合が全くすすまない。
それでもご本人様は歩きたい。歩けるようになると思っている。

目標が仕事復帰と明確で、「車の運転」「歩けるようになる」が必須でした。

「・・・・これは、厳しいのではないか・・しかし、ご本人様は歩けるようになる事を微塵も疑っていない様子・・」
「病院に入院中、予後の話はあまりしてくれていないのか?下手に希望を持たれると・・・・」

骨癒合がすすまなければ、歩くことはできないということをどう伝えるか・・・
歩くことができないならば、他にどの様な代用手段で仕事復帰できるのか

なかなか思うように支援できない力不足を感じつつも。とにかく利用者様と向き合うしかありません。
色々な事を介入スタッフと相談し、提案してきました。

骨癒合が進んだときのことを考え、下肢の筋力をつけておこう!!
とりあえず、今出来ることの能力を伸ばそう!!

本当に前向きな方で、我々もひっぱられるような感覚でした。課題は逆に無理しすぎるオーバーワークでした。
段差も坂もクリアし、一人で車椅子にて外出するこが出来るようになりました。

車への乗り降りはどうするか?
車の種類の検討
車椅子の種類の検討
脊髄の骨転移もあり、あまり負担をかけられないなかでの動作(車椅子を自力で車に乗せること等)の検討
などなど、一緒に考え、色々と試してみました。

幸いなことに、リハビリ開始半年後にようやく骨癒合らしきものが見えはじめました(奇跡と思いました)。
徐々に荷重がかけられるようになり、
ピックアップ歩行器→松葉杖→現在は杖なしで歩行可能(長距離はロフストランドクラッチ使用)までになり、
仕事復帰!!!

ご本人様も大変喜んでいましたが
我々スタッフもとにかく嬉しかったです
一緒に関わってきたケアマネさんとも、喜びをわかちあいました(笑)

維持期と言われる訪問リハビリでは稀ですが、こんな経過をたどる利用者様もいます。


訪問リハは実際の生活が目の前にあるので、すぐにアプローチできます。
訪問リハでは、本当に生活を見る必要があります。
空調管理できているのか?水分摂取は?食事は何食べてるんだろう?入浴は安全にできている?
介護する人も共倒れしない?薬は本当に飲めているのかな?お通じは順調?
皮膚トラブルないかな?などなど、このまま在宅生活が安心して可能なのか?の視点が重要になると思います。

さらには在宅支援には医師や看護師などの医療職だけでなく、
ケアマネ、ヘルパー、福祉用具、訪問入浴。施設スタッフなど
様々な業種の方たちとの関わりも必要になりますので、高い対応力、コミュニケーションなどが必要になります。


訪問リハビリは、まだまだ私を成長させてくれます。


「訪問やらないの?もったいないなぁ」
なんてね(笑)



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